地中海Nerjaの秘密

Nerjaはネルハといって、スペイン南部アンダルシアの地中海に面した街。マドリッドからマラガまで高速鉄道約2時間とバス移動すること1時間強。マドリッドに到着してから3日目の移動。疲労やら時差ぼけやらはなかったことにして、ネルハの太陽を全身に一刻も早く浴びたくて、すぐさまビーチへ。初めての地中海に心を躍らせながら、ホテルフロントのおばちゃんが教えてくれたビーチへ行く途中に、断崖を降りていく小さな入り江になっているビーチを発見。これぞ思い描いていたヨーロッパのビーチ!高いところが苦手だけれども、すぐに絶壁階段を降りて見つけたビーチは生涯忘れられないほど心に響いて、今もなおその時、全身で感じた感覚と感情がよみがえります。

うわ、これ私好みのグラフィティ。マドリッドとアンダルシアのストリートのあちこちに力強いアートがあふれていました。もちろん首都マドリッドには世界有数の美術館と作品のクオリティと数は圧倒的。なにせピカソ、ダリ、ミロを輩出している芸術大国。総じて美的センスのクリエーションはレベルが高い。そして、表現をしたいというパッションが強く伝わってくる。

お!人もまばらでいい感じ。なんでフロントのおばちゃんはこっちのビーチを教えてくれなかったのかすごく疑問に思っていたけれど、要するにこのビーチは観光客がどっと押し寄せる商業主義化していないローカルなビーチ。観光客には華やかなビーチパラソルがたくさん並び、ビーチサイドにはカフェやバーやらワイワイしている方が好まれるというのが一般的だからね。私はそういうビーチは本当にどうでもいい。全然心にグッと響かない。どこも同じに見える。コマーシャリズムが入りすぎて、もはやイビザやバルセロナのビーチはつまらないって、ヨーロピアンの友人が言っていたのを思い出しました。すごくよくわかる。



うわ~、鮮やかなブルーの小さな漁船に黒猫。

愛らしいニャンコもお日様の光を浴びてゴロゴロしてる。

筋肉隆々ライフセーバーじゃなくて、地元の漁師風おじさんとさっきの黒猫。ここはもうヘミングウェイのキレッキレなミニマル表現をする文章の短編小説の世界が広がっている。アンダルシアが舞台の大好きなヘミングウェイの恋愛短編小説がある。20代の頃、英語で読んだから、邦題はわからないけど、もう1回英語で読みなおそうと思う。


そして、背後からスパニッシュギターの哀愁ただよう美しい音色が聴こえてくるという、涙がでるほど嬉しいBGM。ジプシーのロマ族の男性がひたすら練習なのか息抜きなのか、ずっと心地のよい演奏していました。まさか観光客相手にチップをせがむとか、そんなナンセンスなオチはない。ピュア。なにもかも映画か小説の舞台のよう。


3日間通ったこのビーチ。旅は道連れ、知り合ったドイツ人旅人にこのビーチを案内した。私の知っているビーチの方が絶対に素敵だという話の流れで。彼は降参。私のビーチの勝ち。はははは。もはや「私のビーチ」。


ローカルな静かなビーチというだけではなくて、ここで私は名もしらないヨーロピアンの女性たちに生き方のインスピレーションをもらった。本当に。ビーチにはヨーロッパ諸国からの人々がバケーションに来ているので、ドイツ語、英国英語、スペイン語、イタリア語なんかが飛び交っている。

ビーチ2日目は意を決してほとんど人がいない早朝に来た。意を決したのは、ある事を行うために。人生初。やってみたい。ネイチャーに溶け込んで開放されてたい。そして、それをはらりとやってみると、もうなんかすべてが変わった。


このビーチの秘密。ヨーロピアン女性たちがあまりにも自然にトップレスで海を楽しんでいるのを初めて目の当たりにして、カルチャーショックを受けた。なんでこんなにも無邪気で純粋なのか。ただ日焼けのためにトップレスなって寝っ転がっているだけじゃなくて、海に入る、泳ぐ、もぐる、ビーチで遊ぶのアクションを堂々と上半身ネイキッドでやっている。これは長らく住んでいた米国にはない文化。。。。ヨーロピアンって、先端をきどったニューヨーカーどころじゃない。なんて刺激的。


ビーチで解放されたヨーロピアン女性の無邪気な子どもみたいな笑顔はいまだに焼き付いています。純粋によろこび、たのしみ、好奇心、すべてが集約されているかのよう。


太陽の光すべてを受け入れる悦びを知った旅の大きな秘密。